情報処理学会 第86回全国大会 会期:2024年3月15日~17日

5G-04
ヒト遺伝子発現制御のインシュレータと関わるDNA結合タンパク質の発見
○大里直樹,浜田道昭(早大)
インシュレータは、エンハンサーに結合する転写因子と遺伝子の相互作用の仕切りとして機能する。脊椎動物では転写因子CTCFが主要なインシュレータとして機能するが、他の転写因子についてはわかっていない。本研究ではインシュレータ機能に関わる転写因子やDNA結合タンパク質を網羅的に予測する深層学習の手法を開発した。意外にもヒト線維芽細胞で99の転写因子が予測され、CTCFのようにDNA結合配列の向きの偏りが見られた。近年、CTCFの相互作用とループ形成により、相分離や転写凝集体が形成されることが実験報告され、ループ形成におけるDNA結合配列の向きの偏りの構造的な特徴とインシュレータ機能の関連を見出した。